運命が変わる瞬間を認識できる人間はそう多くない。
大抵の人間は、運命が変わり、落ち着き、日常という名の画布に運命が定着してしまってから「ああ、そういえば」とそもそものきっかけを思い出すのだ。
もちろん。ドルフィン便のメンバーも例に漏れず、どこで何が変わったのか認識できないまま、果てしないやっかい毎への一本道を突き進んでいた。

さて、虎杖詩絵羅(いたどり・しえら)の日常は至って多忙である。
目覚めの珈琲ならぬ缶ビールを、朝食のハムサンドをつまみに一杯あおり、それから前日集荷された荷物の一覧リストに目を通しながら、業務用のパソコンを立ち上げる。
そして、まるでピアノを弾くかのように軽快にキーボードをはじきながら、良く通る声で指示を飛ばす……のだが。この日ばかりは事情が違っていた。
全ての荷物の配送担当リストを確定し、あとは「Send」ボタンで、メンバーに今日の仕事を自動配信すればいいのだが、そこで指の動きが止まってしまったのだ。
ポニーテールの少女が、海を背景に笑っている。
その写真……もとい画像が入っているデータカードをポケットから取り出し、つまらなさげにもてあそぶ。
日焼けしていないのではないかと思えるほど白く美しい顔の、小さな鼻の頭には「不可解」と言いたげにしわがよっている。
新入りの叶野水月が持ってきたカードなのだが。
写真の内容に似つかわしくなく、強固なロックがかかっていた。どう解析しても何が入っているのかさっぱりわからない。他人のプライベートをのぞき見するシュミはないが、ここまで手がかりがないのなら、藁もとい、ハッキングにでもすがりたくなるのは道理だろう。
第一、焦げ臭いではないか。
依頼人が誰だかも、配達先がどこかもわからないのだから。
ついでに言えば、依頼人が誰だかわからないのだから、当然料金も取りっぱぐれだ!
「かといって、「あらゆるモノお届けします」のキャッチコピーに泥をつける訳にもいかないしねェ。取りあえず、持ってきた責任ってェ事で、水月が本件チーフに任命。かけずり回るのは若い坊やでいいや」
ふん、と鼻をならしデータカードをコピーする。本物を持ってうろつかせるのは危険という、適切な判断である。ロックが掛かってはいるが、複製はそう難しくはない。
本物は当然、ネットワークから隔絶された場所……詩絵羅のヒミツの引き出しのビール箱のそこに落としこむ。
「おはよぉございまぁす☆」
きゃっ、という擬音が聞こえてこないのが不思議なほど、軽く弾んだ声がした。
詩絵羅が顔を上げると、体にぴったりしたちびTシャツと、ホットパンツという、体のラインを惜しげもなくさらした、美少女・早瀬流風(はやせ・るか)が手を振りながら入ってきた。
はち切れそうな胸に、常日頃からしっかりと運動しているのが解る引き締まった腰。
一足ごとに夏だとか、健康だとかいう単語をナイスバディから発散させ、大きな瞳とカワイイ口で愛らしい笑顔をふりまき、朝の静けさや、眠気をさそうまどろみを吹き飛ばしながらやってくる。
彼女の後ろでは、同期入社(というのだろうか?)した夏川幹(なつかわ・みき)が眼鏡を押し上げながら苦笑していた。
Tシャツにジーンズ、その上に白衣という、冴えない研究員そのものの姿をした青年だが、意外や意外、シュミはモデルガンを撃つことと言う。そのギャップが面白くて詩絵羅が採用したのだが、残念ながら今のところドルフィン便でそれを役立てる機会はなさそうだ。
「うわぁ!おはようございまぁす!遅刻?俺、遅刻ですか?!」
入り口に積み上げてある段ボールにつまずきながら、慌てて入ってきた第三の人物。言わずとしれた「やっかいごともちこんだで賞」の栄冠を手にした叶野水月(かのう・みつき)である。
髪を掻き乱しながら叶野が入ってきて、ちょうどそこでBGM代わりにながしていたテレビが9時のニュースに切り替わった。どうやらぎりぎりセーフである。
「アンタ、良い根性してるねェ。依頼人の住所も解らない仕事持ちこんどいて、今度は遅刻かい?これで依頼人を見つけられなかったら。これからアンタの給料にんじんだから」
「ええっ、そんなぁ!そんな給料貰って喜ぶのは馬かウサギだけですよ!」
「つまりあのデータカードの依頼人を捜せなかったら、アンタは馬かウサギ並って事だわねェ。流風と幹は通常業務をこなしながら女の子探しって事でたのむわ」
「マジっすか」
冷酷きわまりない口調で言う詩絵羅に、絶望的に情けない顔をする水月。どうやら詩絵羅の言葉を真剣だと取られているようだ。確かに詩絵羅ならやりかねない。
笑いながら二人のやりとりをみていた幹と流風が、はたと動きを止めた。
『次のニュースです。トライデントUN Eセクターの廃棄物処理場で変死体が巡回中の職員により発見されました。ただちに自治警察に通報されました。調べによると遺体は死後10日前後経過しており、損傷がひどく、年齢、性別不明とのことです。現場は生ゴミの回収分別を主に行う施設であり、通常人が立ち入りことはないため、自治警察では自殺・他殺の双方とみて捜査を開始しており……』
淡々と流れるニュースキャスターの声に、詩絵羅が顔をしかめる。
「この変死体ってぇ匂うね」
「うわー。この死体が探し人だったら……イヤだなぁ……」
詩絵羅の声に、またまた水月の泣きそうな声が重なる。
「こういうのって、ドラマとかだと何か「とっても」重要なもので、それを渡すまいと妨害してくる人がでてくるよね。これもそういう「もの」だったりして」
流風の発言に全員が端と顔を見合わせた。
「……まさか、ね?」

ともあれ仕事だ。
何かから逃げるようにいたから、きっと白衣が目立たない人の多い場所で降りたのだろう。
研究室が多いエリアか、事務局か。
ともかくモノレールの沿線に違いない。授業を受けながらノートの端に考えを纏める。男を捜すといっても、たかだかそれだけの為に通常の配達業務が無くなるわけではないし、授業もある。そんなに時間はかけられない。
(にんじん……にんじんはイヤだぁ……でも、あの変死体が依頼人だったら尚イヤだぁ)
鳥肌が立ってくる。流風が言った事が今更のように気になってくる。
ドラマならば、きっとそうなのだ。変死体が依頼人で謎の軍団に追いかけられ……これでお姫様や美女ならば、颯爽と主人公が登場してあっと言うまに助けてくれるのだが、残念ながら水月に女性らしい要素は(名前をのぞいて)皆無であった。
(うう、気持ち悪いから……確かめてこよう。最初の配達先も廃棄物処理場の近くだし……)

――なわけで、やってきてみたのだが。
事件があったとは思えないほど現場はしんとしていた。
ある曲がり角をまがったとき、そこだけやたらと綺麗に掃除されている場所があった。
(そうだよなぁ。いつまでも死体さらしているわけないもんなぁ)
ぽりぽりと頬を掻きながら空を見上げる。
聞き込みをしてはみたが、依頼人らしい「病的にがりがりにやせた白衣の男」など、不健康な研究生活をしている研究者が多いトライデントUNでは、なんら人捜しの特徴にならない。
「新聞、やっぱり取っておけばよかったなぁ。それなら写真ぐらい載ってただろうし」
死後10日の遺体の写真を掲載しているかといえば、首をひねらざるを得ないのだが、具体的な容姿の描写ぐらいは載っていたかもしれない。
となれば、あとは自治警察か……新聞記者ぐらいのものなのだが。
ぼんやりと考えながら海風に目を細める。
「あー。ヤバイっ!配達ノルマあと10件あるんだ!」
詩絵羅にもたされたGPSが次の仕事をしろ、という警告音を鳴らし始めていた。
その音に急き立てられるようにして、水月は処理場を後にした。

「あ、はんこかサインをココにお願いしますっ!それと、この女の子しりませんか?」
伝票にサインを貰いながら、パスカードにいれた写真を見せてみる。
データーカードに入っていた写真をプリントアウトしてもらい、常に首にかけたまま、配達する先々で見せて回っていたのだ。
「うーん、知らないね……この年齢ならあんまり居ないから目立つんじゃないかな?だいたいこんなカワイイ子みたら忘れないよ」
いかにも体育会系といった、ごつい腕をした青年が段ボール箱を抱えたまま言う。
「そうですねー。彼女居ない歴20年って感じしますもんねー」
素直で人なつっこいのだが、人なつっこくて元気が売りなのだが。
何分、素直であるがゆえに、一言多すぎた。
ぴくぴくと、青年の額に青筋がたつ。
「ありがとうございましたーっ!」
あわてて頭を下げて背中を向ける。
手がかりが全くないため、とにかく聞き込みという事になったのだが。
お届け物であるデータカードは何があるかわからないから、詩絵羅に預けている。彼女ならきっと安全な場所に隠してくれるだろう。
(夏川さんはネットを使った手段を考えてるらしいけど)
ふー、とため息を付く。
(小学生?この年の子なんてそんなに多く無いとおもうけど)
(ふーん。蒼い髪なんて珍しいね。どこの生まれかな?それともCGかな?)
と、興味なさげに適当な意見をだされるだけである。
しかし、大半の者が口を合わせる。
――でもどこかで見たことがあるような顔だよなぁ。と。
パスケースから写真を撮りだして眺める。
確かにどこかで見たような顔だ。どこかで……それは朝のモノレールかもしれないし、ニュースの野次馬の一人だったかもしれない。
だけどどこかで、どこかで見ているのだ。
誰もが知っている。けれどすぐに「日常」という無関心のゴミ箱に新聞のように捨てられていく存在。
(でも、人目につくところにはいないとおもうけどなぁ)
トレードマークのイルカがついた帽子を、海風に煽られないように片手で押さえながら次の配達先へと水上バイクを進める。
この少女が居れば、すぐにわかる。
なにせここには学生と関係者……成人が大半なのだから……。
こんな少女が……少女が……?
だれが、今、この少女がこの写真のままだと言った?
(まさか、ね)
波を切り分ける職人のハサミのように、迷いなくすべるようにバイクはトライデントUNの周囲を進みながら流風は頭を振った。

(亡き祖父のような大型船の船長になるのが夢で、一浪してまで入ったんですけれどね)
片手には小荷物、もう片手では携帯電話を操るという器用な事をしながら夏川幹は苦笑する。
受験で鈍った体を鍛え直し、生活費を稼ぐために一石二鳥とはいったドルフィン便。
最初の仕事が配達をしながらの人捜し。
しかも手がかりは写真一枚きり。
だめ押しとばかりに、GPSを持たされているからろくろく休めそうにもない。
さぼっていれば、すぐに詩絵羅からの一喝が携帯電話と通して飛んでくるだろう。
そんなわけで、配達の片手間にネットのBBSやチャット、学生検索などを渡り歩いていたのだが。
どうもめぼしい情報はない。
写真の人物は若いのだから、新入生か特待生だとおもうのだが。
一応謝礼ありという事で、情報をあつめたのだが、該当する少女――8才――という年齢にはなかなか引っかかってこない。
青い髪をしているのだから、かなりの特徴だと思うのだが。
個人情報うんぬんと、自治警察に言われない程度の情報を流しているのだが。
それが悪いのか、これだ、という情報はまったくない。
「しかしニュースでみたけど死体発見って……その割にBBSでは話題としてでていないですね」
――皆が冷静なのか、無関心なのか。
あるいは……情報を故意に削除しているだれかがいるのか。
自衛の為に携帯してきたエアガンにそっと手を触れる。
どの程度役にたつか判らないが、コレがあれば怖いおのなど何もない!筈だ。
「やっぱ船もいいけど、銃もいいよなぁああああ」
マニアックな笑みを浮かべながら、外周通路を歩く。
(でもこの写真、いつ、どこで撮られたものだろう)
じっと見る。いっそこの写真をネットのサイトにアップロード出来れば、また何か違うのだろうが。
ぼんやりと眺めながら、ふと視線が少女の胸元に止まる。
否、幹はロリコンではない。胸元にあるあるペンダントに視線が吸い寄せられたのだ。
(これ……確か、あの人も同じ奴をしていたよな)
良く騒ぎを起こす関西弁の彼女。一度騒いでいるところを目撃して、珍しいペンダントしてるなぁ。と思ったのだ。
確か名前は……名前は……。
(なんだったっけ?ま、いいや。帰って詩絵羅さんに聞いてみよう)

「あンだって?そんな筈はないよ。必ず居るに決まってるよ。青い髪の8才ぐらいのちっこい女の子。それがここでめだたない訳がァないだろ?!」
電話先、自治警察にいる知人に向かって怒鳴りつける。
かつて密輸事件が起きた時に、いろいろ工面して捜査に協力した貸しがあるのだ。
が、返答が芳しくない。
(女の子一人見つからないほど、ここは広かったっけ?)
暗くなった室内で、電気をつけることも忘れ、詩絵羅は煙草を吹かせた。
この髪の色、この年齢、見つからない訳がない。
(まてよ?見つからないと言うことは、そもそもの地点で振り分け間違っているのではないか?)
良くあるではないか、小荷物の住所でも「b06」を「606」と読み間違い、ブロック振り分けを間違えてしまったが為に、追跡困難になることが。
それと同じ間違いを犯しているのではないか?
詩絵羅は金髪をかき上げて目を細める。
――そうだよ。
(だれが、この写真が今撮られた写真だなんて言った?)
身長を伸ばす、髪をのばす。
面差しを大人にして、目をすこし小さくする。
手足はすらりとして、顔は明るく太陽に向かって笑いかける。
――それは――。
「そいつはまるで、あのかい……」
浮かんできた名前をつぶやこうとした、その時。
弾けるような音がして事務室の扉が開き、立て続けに小さな擦過音。
そして、一面に薄紫色の煙が甘い匂いとともに広がった。
「なっ!」
あわてて腕で顔をかばい、デスクの上にあった缶ビールを立て続けにひっつかんでは入り口の方向へ投げつける。
抵抗されるとは思わなかったのか、非友好的な煙幕をプレゼントしてくれた襲撃者はあごに見事に缶ビールの返礼を受けてのけぞった。しかし、声は上げない。
声を上げることで正体がばれることを恐れているのだ、と詩絵羅は直感的に判断した。
しかし強盗ではない、強盗ならこんな事務所を襲っても無駄だ。
料金はカードによりコンピューターの中でやりとりされている。つまり架空の数字として動いているだけで現物が、ドルフィン便の本部にあるわけではない。
小銭程度ならあるが。
まして、ドルフィン便のパーカーや、帽子などという品が欲しい、マニアという訳でもあるまい。
瞬間、詩絵羅の脳裏に流風の言葉がよぎった。
――こういうのって、ドラマとかだと何か「とっても」重要なもので、それを渡すまいと妨害してくる人がでてくるよね。これもそういう「もの」だったりして――。
(狙いはデータカードかい!)
思いついた瞬間、マスクを被った男が目の前に立ちはだかっていた。
手にしたビールの缶をシェイクして、プルタブを引き上げる。
攪拌されたビールが、消火器の泡のように男の顔の、目の部分を直撃した。
たまらず顔を背けた男の顔を、テーブルにあったキーボードを振り上げ武器にして殴りつける。
しかし、そこまでだった。
いつの間にか背後に近寄っていた男が手を伸ばして来たかとおもうと、詩絵羅の喉にからみつけ、強く締め付けてきた。
(息が!)
どうせなら、適当に買った安い煙草じゃなくて、高級品にしておけばよかった。
あれが最後の煙草だったなら。
そんなどうでも良いことを薄れ行く意識の中で考えていると、煙を分けるようにして長身の青年があらわれ、その場にあったバインダーを男に向かって投げつけた。
「詩絵羅さん!」
「水月かい?!」
げほげほとせき込みながら、声の主を探すが、酸欠で目がくらみ視界が思うままにならない。
「詩絵羅さん!詩絵羅さん!きゃぁ!」
配達から遅れて戻ってきたのか、流風が叫ぶ。と、男達が驚いたように顔をあげた。
確かに通常ならばこの夜の時間、ドルフィン便の事務局には詩絵羅しかいない。
しかし今は新学期であり、トライデントUNの地理を知らず、しかも、要領をえずに配達に時間がかかって遅れて戻ってくる人間が居る、という事を完全に失念していたのだ。
通常ならば「遅い!どこが迅速なんだい!」と説教する詩絵羅も、この時ばかりは、新入生の不慣れさに感謝した。
詩絵羅から離れ、水月と流風を突き飛ばすようにして男が出ていく。
「まちなさい!」
流風と同じ方面を配達していた、夏川幹が一拍おくれて異変に気づき、携帯していたエアガンを構える。
流石に、銃が好き、と言っていただけあって、流れるような動きで銃を構え引き金を引いた。
と、硬化プラスチックの弾丸が、襲撃者達の足に連続で撃ち込まれる!
「うぉっ!」
「くそっ!覚えていろ」
三流な捨てぜりふを吐く。今まで声を出すのを我慢していたのだろうが、流石にエアガンの直撃は効いたようだ。
距離を縮めようと幹が男達をおって、外周通路へと飛び出す。
と、エンジン音と波しぶきが全身を襲う。
「水上バイク!しかも新型よ。こっちの配達バイクとはエンジンが違うの」
暗に追いつくのは無理だ、と指し示す流風の声を振り切って、幹が配達用水上バイクのスタートキーをまわす。
その時、詩絵羅の声が夜闇を抜ける矢のように幹の背中につきささった。
「やめな!」
「でも、詩絵羅さん」
「この闇だ。海に落ちたら助からないよ。あんた達まだトライデントに慣れてないだろう? 相手さんに追いつくどころか、逆に事件を起こしかねないね」
酔いが冷めたのか、不機嫌な声で詩絵羅が言う。
確かにそうだ。この時間、ドルフィン便の事務所には詩絵羅しかいない。そんなことはこの「トライデントUN」に詳しくないと判らない。
まして夜の海、遭難率の高い漆黒の場所へ何の躊躇もなく水上バイクで飛び出していったのだ。
かなう筈がない。
遠ざかっていくバイクのエンジン音を、唇を噛みしめながら効いていると、詩絵羅が落ち着いた冷静な声で、しかし、どこか面白そうに言った。
「――焦る事ァないさ。どうせあいつらはまた来るよ」
自分の手に、あのデータカードがある限り。
青い髪の――今は幼くないであろう、彼女の写真が何を意味しているのかはわからないが。
確実に、自分達が、そしてドルフィン便という組織が。
巻き込まれたのを、四人は確実に知覚していた。
不安をあおるような、海の波音に包まれながら。
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